静岡県浜松市の産婦人科・女性内科の専門クリニック

女性のかかるがん

日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなる今日、日本人にとってがんは『国民病』といっても過言ではない状況となりました。

外的因子(化学物質・ウィルス・放射線)の影響を受けることにより遺伝子に傷ができ、長い年月をかけて傷が積み重なった結果、がんが発生します。がんはいつ発生したかわからないうちに発生し、そして大きくなっていきます。ある一定の大きさにならないと症状が現れず、症状が出た時にはがんがすでに大きくなってしまっており生命を脅かす病気となります。これが、がんの本質であり怖さであると言えます。

しかしながら、言い換えれば、生活習慣・生活環境を見直すことでがんを予防することができ、また症状の出る前から定期的にがん検診を受けることにより早期治療が可能となり完全に治ってしまう病気であると言えるのです。

がんを知り、己(自分の体)を知ることで、あなたは自分自身をがんから守ることができるのです。

早期発見、早期治療を

子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんおよび乳がんは、いずれも初期の段階で発見されれば比較的治療成績の良いがんです。

また若年者の場合、がんの予後とともに、治療後に妊娠や出産ができるかどうかという点も非常に重要な問題となりますが、早期に発見できれば妊よう能を温存すること(子宮・卵巣を温存し将来の妊娠出産の可能性を残す)が可能となり、母性を失ってしまう事を避けることができます。

定期的な婦人科検診を欠かさず習慣づけるとともに、気になる症状があれば、躊躇せず婦人科を受診することが大切です。

当院でのがん治療に対する方針

  • 他の診療所で発見されたがんに関しても、診診連携の中で紹介していただき、正確な診断を行い、患者さまの精神状態を十分に考慮しつつ、癌告知の初期段階をも行います。
  • その後、我々が信頼するがん治療を行い得る連携基幹病院に紹介します。
  • 手術後の化学療法や経過観察を当院でおこなっていくことにより、この地域のがん患者さまの社会復帰にお役に立つことができると思っております。

各種がん治療の連携基幹病院

子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん
聖隷浜松病院、静岡県立静岡がんセンターなど
乳がん
聖隷浜松病院、浜松医科大学附属病院など

子宮頸がんとは

子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。

子宮頸がんは、"異形成"という、いわゆる前がん状態を経てがん化することが知られており、がんに進行する前の“異形成”の段階を検診(細胞診検査)で見つけることができます。つまり、無症状の時から定期的な検診を受けることで早期発見が可能となります。

早期に発見すれば子宮を失わずに治療することが可能ですが、一方、進行すると子宮を全て摘出する手術が必要になるため、妊娠・出産の可能性を失ってしまいます。また、がんが全身に転移すると命に係わる重大な問題となるため、いかに早期の段階で発見するかが重要となります。

子宮頸がんは女性特有のがんとしては、乳がんに次いで多く、特に20~30歳代のがんでは第1位となっています。日本では、毎年約15,000人(上皮内がんを含む)もの女性が新たに子宮頸がんにかかり、約3,500人が子宮頸がんで亡くなっています。大体、1日に約10人の方が亡くなっている計算になります。

子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)

子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が発症の誘因となります。HPVはとてもありふれたウイルスで、性交渉の経験のある女性の約80%が感染を経験します。感染してもほとんどのウイルスは自然に消失するためがんにはなりませんが、ウイルスが消失せず感染が長く続くと、がんになる可能性が生じます。

HPVにはハイリスク型とローリスク型があり、子宮頸がんを引き起こすのは発がん性HPVといわれる13~15種類のハイリスク型のみです。中でも、HPV 16型とHPV 18型と呼ばれる2種類は、子宮頸がんの約70%の原因となっているもっとも多くみられるタイプです。

子宮頸がんの症状

初期の子宮頸がんは、全く症状がないのが普通です。特に症状がなくても、20歳を過ぎたら、定期的に子宮がんの検診を受けることが勧められています。

月経期以外の出血や、性行為の際の出血、帯下(おりもの)の増加や変調、月経が長引くなど、気になる症状があるときは、早めに受診し検診を受けましょう。早期に発見すれば、子宮頸がんは比較的予後のよいがんです。

子宮頸がんの診断

  • 細胞診
    子宮頸部の表面の細胞をブラシなどの器具で軽くこすり取るとても簡単な検査です。短時間でできる検査であり、痛みはほとんどありません。
    採取した細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞があるかどうかを診断します。
  • 組織診
    細胞診で異常があった場合は、狙い組織診を行います。
    拡大鏡(コルポスコープ)を使って疑わしい部分を狙って組織を切除する組織診断です。検査は5~10分で終わります。子宮の入口の部分は痛みの感覚が弱いためほとんど痛みはありませんが、検査後に出血する場合がありますので、止血処置が必要となることがあります。検査翌日に受診して頂き止血を確認します。検査結果は1~2週間後に分かります。
  • 超音波検査、CT検査、MRI検査
    子宮頸がんの大きさや広がりを診断する際に実施します。
    がんの進行期を決定し、治療方針を立てるのに有効な検査法です。また、治療後の予後をある程度推測することが可能となります。

子宮頸がんの治療

  • 手術療法
    早期の子宮頸がんの一般的な治療法は手術です。
    がんの広がりによって、手術の方法が変わります。
    • 子宮頸部円錐切除術
      がんのある子宮頸部を部分的に切除する方法です。
      がんの広がりを診断する目的で行われますが、異形成や上皮内がんの治療としても行います。
    • 単純子宮全摘出術
      子宮を全て切除する方法です。初期の浸潤がんの場合に行われる方法です。
    • 広汎子宮全摘出術
      子宮と子宮周囲組織(腟の一部、卵巣・卵管、子宮を支える靭帯)を一緒に切除する方法です。リンパ節も同時に切除し、リンパ節転移がないかどうかも確認します。
  • 放射線療法
    放射線治療は、がんの根治を目的として行う場合と、手術後に補助的に行う場合があります。
    最近では、抗がん剤治療(化学療法)と併用した同時化学放射線治療が、より効果が高いことが証明され行われています。
  • 化学療法(抗がん剤)
    抗がん剤治療は、主に転移のある場合や、再発した場合に行われます。
    この他、手術の前にがんを小さくすることを目的に使用したり、放射線治療の効果を高めるために放射線治療と化学療法を同時に行ったりすることもあります。

子宮体がんとは

卵巣から分泌されるホルモンの作用をうけて月経をおこす子宮内膜から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれています。

子宮体がんは、40歳代後半から増加し、50歳代から60歳代にピークを迎えます。近年、欧米先進国と同様に日本でも子宮体がんは増加傾向にあります。

子宮体がんの多くは、エストロゲンという女性ホルモンが発生に関与しており、子宮内膜異型増殖症という前がん状態を経て子宮体がんが発生することがわかっています。

出産歴がない、肥満、糖尿病、高血圧、乳がん治療薬(タモキシフェン)の服用、乳がん・大腸がんの家族歴などがリスク要因とされています。

子宮体がんの症状

もっとも多く認められるのは不正出血です。閉経後の出血や、閉経前であっても、月経不順や月経期以外のだらだらと続く出血は要注意です。年齢的に、月経が不順となる時期と重なるため、がんの出血に気が付きにくい場合もあります。普段と違う月経や出血がある場合は、自己判断せずに早めに受診し、検査を受ける必要があります。

子宮体がんは、病状が進行していない早期の段階で出血することが多く、不正性器出血での発見が約90%といわれています。このため症状が出たらすぐに検査を行うことで早期発見が可能となります。

子宮体がんの診断

  • 細胞診
    子宮の内部に細い棒状の器具を挿入して細胞を採取する検査です。
    採取した細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞があるかどうかを診断します。
  • 組織診
    • 部分掻破:キュレットゾンデという、金属性の細い棒の先に小さな爪のある器具を子宮の奥に入れて組織の一部をとります。
    • 全面掻破:子宮内膜の大部分を掻破(組織を掻き出す)するものであり、麻酔が必要となる手術です。
  • 超音波検査
    子宮内膜の厚さを測定したり、内膜の性状を確認します。
    子宮体がんになると子宮内膜の厚みが増したり、内膜の不整像を示すことが多く、組織診と同様に有効な検査法の一つです。
  • CT検査、MRI検査
    子宮体がんの大きさや広がりを診断する際に実施します。
    がんの進行期を決定し、治療方針を立てるのに有効な検査法です。また、治療後の予後をある程度推測することが可能となります。

子宮体がんの治療

  • 手術療法
    手術によりがんをとり除くと同時に、病気の広がり(がんの進行期)を正確に診断し、放射線治療や化学療法などの追加の必要性を判断します。
    がんの広がりによって、手術の方法が変わります。
    • 単純子宮全摘出術+両側付属器(卵巣・卵管)切除術
      子宮、卵巣および卵管を切除します。初期の子宮体がんの時に行う手術方法です。またこれに加えて、骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節郭清(転移の可能性のある子宮近傍のリンパ節切除)を行う場合があります。
    • 広汎子宮全摘出術
      子宮と子宮周囲組織(腟の一部、卵巣・卵管、子宮を支える靭帯)を一緒に切除する方法です。
      また骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節郭清も同時に行い、リンパ節転移がないかどうかも確認します。
  • 放射線療法
    放射線治療は、がんの根治を目的として行う場合と、手術後に補助的に行う場合があります。
  • 化学療法(抗がん剤)
    抗がん剤治療は、主に転移のある場合や、再発した場合に行われます。
  • ホルモン療法
    エストロゲンに対して拮抗作用を持つ黄体ホルモンの内服薬を使用します。
    子宮内膜に限局した初期のがんであり、妊よう能の温存(子宮を温存し将来の妊娠出産の可能性を残す)を希望する若年の女性の場合に行うことがあります。

卵巣がんとは

日本では毎年約6000人が卵巣がんになり、そして3200人が死亡しています。最近増加傾向にあり、乳がんと同様に欧米並みに近づきつつあります。

卵巣がんは、40歳代から増加し、50歳代から60歳代に最も多く発症します。しかし、一部のがん(胚細胞腫瘍)は、若年者に多くみられるため、10歳代・20歳代であっても発症することがあります。

卵巣がんの多くは卵巣表面の上皮細胞から発生します。排卵により上皮が破れ、そして修復されることを毎回繰り返している間に「がん」が発生すると考えられています。 卵巣がんは、突然に発生し急激に増殖する「漿液性腺がん」と比較的ゆっくりと発症する「非漿液性腺がん(粘液性腺がん、明細胞腺がん、類内膜腺がん)」に分けられます。 急激に増殖するタイプは、腫瘍が卵巣内であまり大きくならないうちに、簡単におなかの中に広がり(腹膜播種)、大量の腹水を伴なった「がん性腹膜炎」になります。しかし、抗がん剤が効く方が多いのも特色です。

家族に卵巣がんにかかった人がいる場合は、いない人に比べて発症の確率がやや高いといわれており注意が必要です。また出産経験がない人にリスクが高くなることが指摘されています。一方、経口避妊薬(ピル)の使用は卵巣がんのリスクを低下させることが知られています。

卵巣がんの症状

「卵巣がんは沈黙のがん(Silent Cancer)」といわれ、初期の段階ではほとんど自覚症状はありません。下腹部に腫瘤(しこり)を触れたり、圧迫感があるなどの症状で受診される方が多いのですが、受診した時には既にがんが進行していることも少なくありません。

「なんだかお腹が出てきた、中年太りのはじまりかな?」

「なんとなく下腹部に違和感がある。」

「なんとなく何回もおしっこ行きたくなる(頻尿)。」

このような症状を2~3週間にわたりほぼ毎日感じるようになったら、「卵巣がん」チェックのために婦人科受診をお薦めします。

卵巣がんの診断

卵巣は腹腔内臓器であり子宮頸がんや子宮体がんのように細胞を採取して検査することはできず、以下の検査を総合的に評価し、良性と悪性腫瘍の鑑別や病気の進行度を予測します。

しかし、検査の精度には限界があり、最終的には手術で摘出した腫瘍の病理組織検査(顕微鏡検査)によって診断が確定します。

  • 画像診断(超音波検査、CT検査、MRI検査など)
    腫瘍の良悪性の鑑別を行います。
    またがんの場合、病気の広がり(進行度)を推測し、手術の範囲や治療方針の決定に役立てます。
  • 腫瘍マーカー検査
    腫瘍マーカーとは、がんがあると高くなる血液中のたんぱく質の一種であり、血液検査をすることで判定できます。がんの可能性を判断する場合や、治療の効果判定などのために測定します。 卵巣がんではCA125、CA19-9、CA72-4、CEAなどのマーカーが代表的です。しかし、卵巣がんであっても腫瘍マーカーに異常が認められない場合もあり、画像診断と合わせて総合的に評価します。

卵巣がんの治療

  • 手術療法
    手術によりがんをとり除くと同時に、病気の広がり(がんの進行期)を正確に診断し、化学療法などの追加の必要性を判断します。
    一般的な手術方法は、病気のある卵巣とともに反対側の卵巣、子宮、卵管、大網(胃と大腸の間の膜)、腹腔内のリンパ節を切除する方法です。
    ただし、境界悪性腫瘍(悪性度の低いがん)や片方の卵巣にがんが限局している場合は、健常側の卵巣・卵管や子宮を温存することが可能な場合もあり、治療後に妊娠・出産が可能となるケースもありますので、挙児希望がある場合は手術前に担当医と十分に相談することが大切です。
  • 化学療法(抗がん剤)
    卵巣がんは、抗がん剤が比較的よく効くがんです。より効果を高め、副作用を強くしないように複数の抗がん剤を併用します。タキサン製剤(パクリタキセル、ドセタキセルなど)とプラチナ製剤(カルボプラチンなど)を用いることが一般的です。
  • 放射線療法
    放射線治療は、脳や骨などへの転移の症状を和らげる場合に行われます。

乳がんとは

乳がんは、乳房のなかの母乳をつくるところ(小葉組織)や母乳を乳首まで運ぶ管(乳管組織)から発生する悪性腫瘍です。

現在、日本人女性の乳がん患者は急増しています。1996年には、がんにかかる女性全体の中で、乳がんになる人は胃がんを抜いて第1位になりました。2008年には乳がんと診断された患者数は約60,000人となり、女性が一生の間に乳がんになる確率は14人に一人とされています。しかも、死亡数も年々増加しています。

乳がんの発生は、20歳過ぎから認められ30歳代ではさらに増え、40歳代から50歳代がピークです。

乳がんの発生・増殖には、女性ホルモンであるエストロゲンが重要な働きをしており、初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産歴がない、初産年齢が遅い、授乳歴がない女性がなりやすいと言われています。また、閉経後に太った方、飲酒習慣のある方、家族に乳がんの人がいる方は、乳がんのリスクが高くなる可能性があるとされています。

乳がんの症状

初期には症状がないことがほとんどです。がん細胞が増殖して乳腺の周囲にある組織が腫れてくると「しこり」の症状が出てきます。

  • 乳房のしこり
    乳がんは1cmぐらいの大きさになると、自分で注意深く触るとわかるしこりになります。
  • 乳房のえくぼなど皮膚の変化
    乳がんが乳房の皮膚の近くに達すると、えくぼのようなくぼみができたり、皮膚が赤く腫れたりします。
  • 乳頭からの分泌物
    血の混じった分泌物がある場合は注意が必要です。
  • 乳房近くのリンパ節の腫れ
    乳がんは乳房の近くにあるリンパ節、すなわち、わきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)、胸骨のそばのリンパ節(内胸リンパ節)や鎖骨の上下のリンパ節(鎖骨上リンパ節、鎖骨下リンパ節)に転移をしやすく、これらのリンパ節を触知することで発見されることもあります。

乳がんの診断

  • 視触診
    乳房やリンパ節を見たり触ったりして「しこり」を発見する診断方法です。
    医師による触診はもちろん、自己検診が早期発見には重要です。
  • 画像診断
    • マンモグラフィー検査
      乳房を装置に挟んで圧迫しX線撮影する検査です。
      触診では発見できないような早期の小さな乳がんはもちろん、しこりを作らない乳がんを白い影(腫瘤影)や非常に細かい石灰砂の影(微細石灰化)として見つけることができます。
    • 超音波検査(エコー検査)
      触診では発見できないような5mmぐらいの大きさの腫瘤でも発見可能です。
      検査に伴う痛みはなく、20代から40代の若い世代に多くみられる高濃度乳房での精度が高い特徴があります。
    • MRI、CT、PETなど
      しこりががんであるかどうかや病変の広がりを診断するための検査です。
  • 細胞診・組織診
    しこりに細い注射針を刺して細胞を吸いとって調べる「穿刺吸引細胞診 」により、80~90%の場合でがんかどうかの診断が確定します。さらに多くの情報を得るために太い針を刺してしこりの一部の組織を採取することもあります(針生検)。触診では明らかなしこりを触れず、画像検査だけで異常が指摘されるような場合には、マンモトーム生検と呼ばれる特殊な針生検を行うこともあります。

乳がんの治療

  • 手術療法
    • 乳房切除手術
      以前は、乳房を大きく切除すれば再発を防ぐとされていたため、乳房、周囲の皮膚、胸の筋肉、わきの下のリンパ節など大きく取り除く手術が中心でした。
      しかし、その後、大きく切除しても生存率にはほとんど影響がないこと、手術だけでなく放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)、内分泌療法(抗ホルモン治療)などが進歩したことにより、手術で取り除く範囲は小さくなってきています。
      現在一般的に行われている手術療法は以下の2つの手術方法です。
      • 胸筋温存乳房切除術(乳房全摘術):乳房全部を取り除く方法
      • 乳房部分切除術(乳房温存手術):しこりを含む乳腺の一部分を取り除く方法
      これまでは、乳房全摘術がもっとも一般的な手術方法でしたが、しこりが小さく、がんの広がりが狭い範囲に限られており、がんが1つの場合、などの条件を満たすものが乳房温存手術の対象となり、現在では乳房温存手術がもっとも多く行われるようになりました。
    • リンパ節に対する手術
      • 腋窩リンパ節郭清
      • センチネルリンパ節生検
      がんが進行すると、乳腺からリンパ節に広がり、さらにリンパ管を通って全身に広がるおそれがあると考えられ、手術時に腋の下のリンパ節を取り除きます。これを「腋窩リンパ節郭清」といいます。腋窩リンパ節郭清は、再発を予防するだけでなく、再発の可能性を予測し、術後に薬物療法が必要かどうかを検討する意味で非常に重要です。
      近年、リンパ節郭清によって起こりうる障害(リンパ浮腫など)を少なくするために、リンパ節郭清を最小にする試みが始まっています。乳房からのリンパの流れを最初に受け止めるリンパ節(センチネルリンパ節)だけを摘出して、転移があるかどうかを調べ、転移がなければ、他のリンパ節への転移はないと考えて、リンパ節の郭清を省略する方法です。センチネルリンパ節生検は腋窩リンパ節郭清を行わなくてもよい可能性がある患者さんを選ぶ手段として期待されています。
    • 乳房再建術
      がん手術で失われた乳房を、自分の筋肉または人工物を使用し形成する手術です。乳頭を形成することもできます。
  • 放射線療法
    放射線にはがん細胞を死滅させる効果があります。乳がんでは外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を予防する目的で行う場合と、骨の痛みなど転移した病巣による症状を緩和するために行う場合があります。
  • 内分泌療法(ホルモン療法)
    乳がんの多くは女性ホルモンの刺激ががんの増殖に影響しているとされます。手術でとった乳がん組織を検査することにより、女性ホルモンに影響されやすい乳がんか、そうでない乳がんかがわかります。女性ホルモンに影響されやすい乳がんを「ホルモン感受性乳がん」、「ホルモン依存性乳がん」と呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されます。
    ホルモン療法には抗エストロゲン剤、選択的アロマターゼ阻害剤、LH-RHアゴニスト製剤などがあります。
  • 化学療法(抗がん剤)
    化学療法は細胞分裂のいろいろな段階に働きかけてがん細胞を死滅させる効果があり、乳がんは比較的化学療法に反応しやすいがんとされています。
  • 分子標的療法(ハーセプチン療法)
    乳がんのうち20~30%は、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。このHER2をねらい撃ちした治療法(分子標的療法)が開発され実施されています。

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