静岡県浜松市の産婦人科・女性内科の専門クリニック

乳がん検診

乳がんは女性のがんのトップの地位を占めています

日本でも、出産年齢の高齢化や、ライフスタイル・食生活の欧米化に伴い乳がんが増加しています。現在、日本では16人に1人の女性が乳がんになるとされていますが、アメリカ並みの8人に一人に達するのも時間の問題といわれています。

1994年以降、女性のがんのトップの地位を占め、1年間に6万人を超える女性が乳がんに罹り、そして12000人もの女性が死亡しています。欧米では死亡率が減少してきていますが、日本では罹患率および死亡率ともに年々増加し続けています。

乳がんは子育て世代の女性に多い癌です

欧米では閉経後の乳がんが多いとされています。
一方、日本の乳がんの特色は、社会の中心世代である45歳から49歳に発症のピークがあり、働く女性達の最大の死亡原因になっていることです。

子育てに一生懸命なお母さん世代に多く発症するため、母親のみならず子供たちにとっても怖い病気と言えます。
自分自身のため、そして愛する家族のために定期的な検診を受けましょう。

乳がん検診の方法は年代ごとに異なります

乳がん検診は、視触診、マンモグラフィ検査(MMG)、超音波検査のすべてを行うのがベストです。しかし、年代により乳腺組織の発達状態が異なりますので、乳腺組織を考慮した乳房検診が効率的だと思います。先ず、どの年代の方も月1回の自己触診を実施してください。

20代の女性 時に若年の乳がんが存在します。この年齢から自分の乳房に関心をもっていただき、月1回の自己検診を開始してください。乳房検診を受けたい方、乳房にしこりを感じた方、血縁に乳がんの人がおられる方など、リスクの高い人は、乳房超音波検診をお薦めします。超音波検診で異常があればマンモグラフィ(MMG)を行ってください。
30代の女性 年1回の視触診と超音波検査を行ってください。必要に応じてマンモグラフィ検査を追加します。30代はまだ乳腺の厚みがあるため、超音波検査を優先してください。
40代の女性 年1回のマンモグラフィと超音波検査をおすすめします。日本女性の乳がん発症のピークは40代。「乳がん適齢期」であることを自覚し、視触診だけでは早期発見はむずかしいことを知ってください。
50代の女性 40代と同じく乳がん発症率の高い年代です。更年期世代で女性ホルモンの変動があるため、乳腺の状態も変わりやすい時期です。1年に1回のマンモグラフィと超音波の併用検診を忘れずに行いましょう。特に更年期障害の治療などでホルモン補充療法(HRT)を実施されている方も必ず乳がん検診を受けてください。
60代の女性 2年に1回はマンモグラフィ検査を受けてください。年齢とともに、乳腺組織が萎縮し脂肪に変わるため、乳がんが存在すれば発見しやすくなります。マンモグラフィで異常陰影があれば超音波検査を受けましょう。

セルフチェック(自己検診)は乳がん検診の第一歩

乳がんセルフチェック

時に若年性乳がん(35歳より若い乳がん)も存在し、妊娠中・授乳期の乳がんは発見が困難であるといわれています。乳がんから、自分の乳房を守るための第一歩は「乳房の自己検診法」を習慣づけることです。
「乳がんを見つけるために自己検診をする」という恐怖感からのスタートでなく、「自分の乳房の健康を保つ」という前向きの姿勢で自己検診法を楽しく実行することが大切です。

顔を洗う時、少しの吹き出物が指に触れただけでも気になりますね。健康で気持ちよく毎日を過ごすための洗顔の習慣と同じ感覚を、自分の乳房にも応用してください。

自己検診の基本は、先ず自分の通常の乳房の状態(異常がないときの状態)を知ることです。乳房は月経前には緊満し、月経が終わると柔らかくなり乳腺組織を指先に感じることができるようになります。乳房が月経周期に伴って変化することを自分の指で実感していると、胸に痛みを感じた時に、「前からこんな感じだったかな?」と慌てて、不安にかられることもなくなります。

お風呂の時に、両腕を上げたり下げたり、背筋を伸ばしたりして、鏡に自分の乳房を映してください。左右対称で、皮膚のひきつれ・へこみの無い、いつもの健康な乳房であることを確認してください。そして、タオルを使わず、「手の指先の腹の部分」に洗剤を付けて、乳頭を中心に円を描くように、乳房をマッサージするような要領で洗ってください。特に腋の下から乳頭にかけての部分は乳腺組織が多いので十分に触れて洗って下さい。このような繰り返しで自分の乳房が実感できましたら、月経が始まって1週間以内の、乳腺組織の触れやすい時期に、さらに正確な自己触診法(右図参照)も試みてください。

また乳頭をつまんで分泌物がないかも調べてください。「自分の大切な乳房は自分で守る」という気持ちが大切です。万一、いつもと違う乳房を感じた時(腫瘤を触れた時)は、怖がらずに・ためらわずに医師に相談してください。
乳がんは「比較的ゆっくりと増殖するがん」ですので、早期発見により、乳房を温存したまま完治が十分に可能です。

乳がん検診には画像診断(MMG・乳房超音波)を併せて行うことが重要です

マンモグラフィは、小さな石灰化を発見するのに有用です

乳房を片方ずつ透明の板で縦と横に挟み2方向から撮影するので、左右で計4回撮影します。圧迫されるため痛みを少し感じる時があります。ごく細かな乳腺の変化や、超音波では発見できない早期乳がんのサインである微細な石灰化巣の発見に適しています。とくに閉経後の女性では、乳腺が萎縮し脂肪に置き換わっていることが多くMMG検査が適しています。またMMGは過去のフィルムと比較読影することができるという利点もあります。

市区町村の乳がん検診は、対象が40歳以上で、視触診とマンモグラフィが基本になっています。

超音波検査は、数ミリ腫瘤を発見することができます

超音波検査は、触診ではわからない数ミリの腫瘤を見つけ出すことができます。 30歳代~40歳代の方は乳腺が発達しておりマンモグラフィで検出困難な場合があり、そのようなときに超音波検査が力を発揮します。 また放射線被曝を避けたい妊娠中の方や、経過観察のために頻繁に検査をする必要のある方などに超音波検査が適しています。 現在、乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験(Japan strategic anti-cancer randomized trial : J-START)が実施されており、その有用性と信頼性から、超音波検診が市区町村の乳がん検診に導入される可能性が高いと思われます。

乳がんにかかりやすい人は(乳がんの危険因子)

  • 早い初潮(11歳以下)、遅い閉経(55才以上) の人
  • 未産、高齢初産の人
  • 肥満の人(脂肪組織のアロマターゼが関与)
  • 対側の乳がんを経験している人
  • 乳がん家族歴陽性例の人(特に母親が40歳以前に乳がんと診断された女性は要注意です。)

当院での乳がん検診の特徴

  • 当院では、初回の乳がん検診希望の40才以上の方は、原則として触診、マンモグラフィ(MMG)、乳房超音波の全てを実施して おります。20~30才代は乳房超音波が基本です。
  • 初年度の乳がん検診で全く問題なければ、次年度からはMMGと乳房超音波の各年交互検診を原則としております。
  • 触診を行いながら、乳房の自己検診(セルフチェック)の方法を指導いたします。
  • マンモグラフィ撮影は、提携施設である聖隷予防検診センターで行います。同センターでは、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(精中委)が認定した放射線技師がマンモグラフィ撮影を行います。熟練した技術で乳房を充分に伸展させ、ほとんど痛みを感じることなく撮影は終了します。同検診センターは当院に近接しており、検査予約も当院より行うため利便性の保たれた撮影体制を整えています。
  • 当院医師3名全員が、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(精中委)の読影認定医です。院内で定期的な読影検討会を行い精度の高い診断を提供いたします。
  • 乳房超音波検査は、学会・講習会等に積極的に参加し修練を積んだ医師が担当し、さらに定期的に症例検討会を行い精度の高い超音波診断を提供いたします。
  • 「異常あり」と診断された時は、信頼できる乳がん治療専門施設に紹介いたしております。

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