静岡県浜松市の産婦人科・女性内科の専門クリニック

妊娠中の心と体のケア(個性に満ちた輝ける命にプライドを)

写真:妊娠中の心と体のケア(個性に満ちた輝ける命にプライドを)
Photo by LUNA・SOLE

「ママ」という言葉はどこからきたのでしょう。

「マという発音」が、赤ちゃんが最初に自然に発音する言葉とも言われています。赤ちゃんにとって「ママ」は天使であり、聖母「マリア」なのです。これから「ママ」になろうとしている皆さんは、良き「マリア」になれるかなと多くの不安を感じておられると思います。このような不安を解消するための基本的な心構えをお話したいと思います。

まず自分の赤ちゃんに自信とプライドを持ちましょう

妊婦健診で胎児を超音波で確認できた時、妊娠中に胎動を感じた時、その喜びは最高ですね。しかし、「赤ちゃんは問題なく成長しているのかな?」と少し不安を感じ、考えれば考えるほど不安が募ってきます。でも大丈夫です。まずは自分の赤ちゃんに自信を持つことです。

今、あなたのお腹の中にいる赤ちゃんは、多くの関門を乗り越えることのできた「輝ける命」なのです。排卵は月に1回1個の卵子ですが、実はその一つの卵子は400万個の卵子の中から選択されています。その卵子と出会い受精できるのは、一回の射精で排泄される数億の精子の中のたった一匹なのです。そして、受精しても、実際に子宮内膜に着床できるのは、人の場合30%前後とされています。さらに着床しても15~20%が妊娠初期に流産します。

これらの関門は、「人として素晴らしい遺伝子」を次の世代の残そうとする自然淘汰なのです。この厳しい自然淘汰に負けることなく成長してきた「あなたの赤ちゃん」を、「世界にたった一つの個性を持った大切な命」と感じ、自信とプライドを持って10ヶ月を過ごしてください。この「個性に満ちた輝ける命」を、愛情を持って守り抜くのが「母性」です。

妊娠中から赤ちゃんとの対話を

赤ちゃんが羊水中で自由に動き回ることは、体の成長だけでなく肺の成長にも非常に重要です。そして、赤ちゃんからの「元気だよ!」といううれしいメッセージが胎動です。胎動を自覚する時期には個人差があり、初産婦は19~20週、経産婦は16~18週といわれています。

はじめての胎動は「ピクッと動く感じ」「腸が動く感じ」で始まり、モゾモゾ、ピクピク、ボコッなど様々に変化し、だんだんとおなかが波打つように動く様子が外からでもわかるようになります。

この頃、赤ちゃんは音を感じるようになり、脳の記憶装置も発達します。赤ちゃんが胎動でサインを送ってきたら、それに答えてママもパパも話しかけてあげてください。 胎動があったときは、「おはよう」、「おやすみ」、「今日はこんなことがあったよ」など優しく赤ちゃんに声をかけてあげてください。名前が決まっていたら「・・・ちゃん」と呼んでみると、「親子の絆」がより深まっていくことでしょう。そして、誕生後、きっとパパの声にもすぐに反応するでしょう。

安全な出産に対する考え方をしっかりと持ちましょう

自然界の多くの生物は、次世代に自分達の子供たちを送り出すと、短い一生を終えます。また、子供たちが出生後の自然淘汰の厳しい現実に耐えて生き残れるようにと、魚や昆虫などは、一度に多くの子供を生みます。ある種の哺乳動物の母親は、出産の後に羊膜・胎盤を食べると言われています。それは出産のあとの「血なまぐさい臭い」を消して、新生仔が外敵から狙われにくくするためと考えられています。このように出産は、「生物にとって母児ともに命がけ」であり、動物の母親たちは自分自身を犠牲にしてまで、必死に子供達を守っています。

人の場合も同様で、21世紀の現在でも、世界では1分間に1人の母親が分娩によって亡くなっています。世界で1 年間に 1億 3000 万人の赤ちゃんが生まれますが、毎年 400 万人の死産があり、生後 1 週間未満に 400万人の新生児が死亡し、1 年未満に400 万人の乳児が死亡しているという現実があります。

でも心配しないでください。日本ではこの30年の間に、急速に母体死亡・新生児死亡が減少し、我が国より妊産婦死亡率の低い国は、カナダ、スウェーデン、オーストラリア、スイスの4か国だけとなり、「分娩は安全であるという神話」まで築き上げてきました。 これは医療者の懸命な努力の結果ですが、忘れてならないことは、「お産は安全ではなく、適切な医療を受けて初めて安全だ!」ということです。

「かかりつけ医」も「ご主人」も参加した「チーム医療」を

これからお母さんになろうとする皆さんは、母性の発現である初潮や妊娠を経験した時から、「自分の体は自分で守る」「次世代を担う最愛の子供は自分で守る」という固い信念と、女性の一生をトータルサポートしてくれる「産婦人科のかかりつけ医」持つことが大切だと思います。分娩は「かかりつけ医」が推薦する基幹病院で、「かかりつけ医」も「ご主人」も参加した「チーム医療」で行われるのが将来の理想像と考えます。

そのチームの主役は母親になろうとしているあなた自身であり、次世代を担う子供たちを、安全に障害を残すことなく分娩する方法(時には帝王切開も)を必死に考えていただきたいのです。そのためにも、医療者と充分にコミュニケーションを取り、意識を共有することが重要です。そして、お腹の赤ちゃんとの対話をいつも心がけてください。

当院の妊娠健診の特徴

  • 妊娠に伴う多くの不安を、スタッフ一同でわかりやすい説明で解消するように努めています。
  • 妊娠と判明した時点で当院の緊急対応電話連絡網に登録されます。夜間・休日の出血・腹痛などの緊急事態に対しては、この連絡網の中で、常時医師が電話対応させていただき、重症と判断した場合は、連携病院にご紹介させていただきます。
  • 赤ちゃんのための超音波検査を充実させ、妊娠初期・中期の胎児スクリーニングにて各器官・各臓器の発達状況を把握し・説明させていただいております。また、ご希望であれば3D/4D超音波で、赤ちゃんと対面していただくことも可能です。
  • 分娩は、患者さんの希望施設で行っていただくセミオープンシステムを採用いたしており、周産期センターを中心として分娩時の母児の安全を確保いたしております。
  • 出産後は隣接する小児科「わんぱくキッズクリニック」が、母乳指導・ワクチン接種・乳児健診を通じて、赤ちゃんの健やかな成長をサポートさせていただきます。

ホーム > 女性のためのトータルサポート > 妊娠中の心と体のケア

女性のためのトータルサポート