静岡県浜松市の産婦人科・女性内科の専門クリニック

母と子の絆を深める母乳育児を

写真:知っておきたい災害時の乳児栄養
Photo by LUNA・SOLE

母乳授乳は栄養面だけでなく、「母と子の絆」を深めます。安心して見守られている感覚と、子どもを愛おしいと思う心がそこにあるからです。

「母乳だけの育児を目指す」と無理に頑張らずに、母乳の大切さを知りつつ、足らない分はミルクで補うという「おおらかさ」が大切です。「お母さんのおおらかな気持ち(母性)」が子供たちに伝わっていくことで、「親子の絆」を築きあげていくことができると思います。

母乳のメリット

生まれたばかりの赤ちゃんが飲む最初の母乳(初乳)には、母親が持つ抗体が含まれ、赤ちゃんの免疫系がちゃんと発達するまで感染予防の大きな役割を果たします。母乳は赤ちゃんにとって最高の栄養です。体温に近い温かさを保ち、どこでも与えられるのですから。

母乳授乳の母体への効果

授乳の際に母親の中で分泌されるホルモンの効果も大切と言われています。授乳をすることで気分が安定し、育児に前向きな気分が生まれます。

授乳中は排卵や月経の再開が遅れ、母親として無理のない自然な間隔で次の妊娠に備えることができます。また授乳は卵巣がんや乳がんのリスクも減少させます。

知っておきたい災害時の乳児栄養

災害時でも母乳育児中のお母さんは母乳育児を続けましょう。ライフラインが止まった状況で母乳育児を続けることはとても重要です。ストレスで母乳が干上がることはありません。母乳育児は完全無欠の栄養を赤ちゃんに与えます。さらに、母乳の中の感染防御因子が、非常事態で流行する可能性のある下痢や呼吸器感染から赤ちゃんを守ります。

母乳だけで育っている赤ちゃんに必要な災害時支援品は1週間分の紙おむつとおしりふきだけです。

人工栄養で育児中のお母さんは、哺乳瓶が使えない事態を再確認してください。大規模災害でライフラインが止まった時、粉ミルクや哺乳瓶の準備があっても、安全な水とお湯の準備ができなければ、調乳も困難ですし、哺乳瓶を洗うことができないのです。不潔な操作での調乳は、細菌性腸炎を引き起こし、健康や命を脅かす危険もあります。

調乳の際は、粉ミルクとお湯は正確な割合で調乳し、2時間以内に使います。使い捨て紙コップを2重にして、80 度の湯(サカザキ菌感染予防のため)で、粉ミルクを割り箸で溶き、それをさまして、1重にして授乳すれば、新生児でもカップ授乳をすることができます。ただし30%以上はこぼすことを見込んでミルクを用意します。

人工栄養で育っている赤ちゃんに必要な1週間分の支援品は、紙おむつ、おしりふき、必要量の粉ミルク、調乳および清潔を保つための水、カセットコンロとボンベ7本、授乳回数の2倍以上の紙コップ、授乳回数分の割り箸、やかん、もしくは小鍋、計量カップ、ペーパータオルです。

どんな時でも、愛情に満ちた母乳ほど最高のものはありません。

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