女の子は小学校高学年になると身長も急に伸び、体重も増え、骨盤(おしり)も大きくなり、胸も大きくなり始めます。「次の世代への命のバトンリレー(次世代を担う子供を作れる)」が可能な体が完成する12才頃になると、初潮が始まります。
思春期になると、子宮という赤ちゃんを保護する筋肉の中に、子宮内膜という赤ちゃん(受精卵)のためのベッドが女性ホルモンで作られます。この赤ちゃんのための最初のベット交換が初潮です。あなたがお母さんになろうとする(母性)大切な準備の始まりです。
多くの動物・生物にとっては妊娠・出産は命がけです。あなたも本当に好きな人と出会って、「その人の優しい・素晴らしい遺伝子を持った子供を産むためだったら命がけでも良い」と思った時に妊娠を考えてください。それまでは自分の体を大切にして欲しいと思います。
受精しても、実際にお母さんの子宮に着床できるのは、人の場合30%前後とされています。そして着床しても15~20%が妊娠の初期に流産します。
これらの選択と関門が設けられているのは、「人として素晴らしい遺伝子」を次の世代に残そうとする自然淘汰なのです。この30兆分の一の確立の厳しい自然淘汰に負けることなくこの世に誕生してきた君は、「世界にたった一つ(71億人中たった一人)の個性を持った大切な命」の存在なのです。
この「個性に満ちた輝ける君の命」に、自信とプライドを持って生き抜いてください。そして、素晴らしい人に出会って、君の素晴らしい個性と心を持った遺伝子を次の世代に伝えていってください。
「性」は決して恥ずかしいものでなく、次の世代へ「心を伝えながら進化していく命のバトンリレー」なのです。
思春期は、ただ二次性徴が起こり「子供を産むことのできる大人の体に成長していく」時期だけでしょうか?思春期は自立した責任ある自分自身を形成していく学習と訓練の時期だと思います。
思春期には、多くの人との出会いがあります。出会いの中で「この人ならば」と思う人に出会うと思います。
もしその人が本当に大切な人であるなら、お互いの体と心を守る(特に女の子)ために自由に・そしておおらかに先ず話あって欲しいと思います。
愛を交わす(性交渉)前に、1.妊娠とは? 2.確実な避妊法とは(コンドーム・ピルとは)? 3.性感染症とは? 4.性感染症の予防法(ワクチン)は? 5.定期的な健康管理・検診とは、などを二人で話し合える関係が本当の恋人だと思います。
二人の素晴らしい「心を伝えながら進化していく命のバトンリレー」のために。
- 思春期という多感な時期を考慮した診療を基本に、初潮時期の心と身体のケアをおこないます。
- 卵巣機能不全(月経が不順、月経が長引く)、月経痛に対し、基礎体温と日常生活の指導、さらに鎮痛剤や適切なホルモン投与で、年齢に応じておこないます。
- センター試験・旅行・スポーツ大会での月経移動は、適切なホルモン投与で対応し、パーフォーマンスの向上に努めます。
- 無理な診察は避け、腹部超音波などにより、心と身体に優しい診察方法でアプローチします。
- HPV子宮頸癌ワクチンの定期接種、希望接種も実施しております。
- 緊急避妊ピル、性感染症予防、性感染症への不安、肝炎ワクチン接種など、遠慮せずおおらかに質問してください。
- 小学校高学年・中学生・高校生に「思春期教室」を各学校にて実施しております。
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